就職する業界は慎重に選ばないといけません

代々木ゼミナールが全校舎の7割にあたる19校舎を閉鎖する方針なのだそうです。これにあわせて、リストラも実行するようです。40歳以上を対象に、400人規模で希望退職を募ることも検討中なのだとか。1

まあ、そりゃあそうですよね。校舎が7割減ったら、事務スタッフは半分くらいは要らなくなるはずです。校舎を減らせば売り上げも減るでしょうから、余剰人員を抱えたままでは企業としてもちません。

ちなみに、マイナビというサイトによると、代々木ゼミナールを運営する学校法人・高宮学園の従業員は「734名(2013年8月現在)常用雇用数1,247名」と紹介されていました。これはどういうことなのでしょうか。事務スタッフが734人で、常勤講師を入れると1,247人ということなのかな?

まあ何にしても、この規模の企業が400人のリストラをするというのは、かなりの大改革ということですね。

従業員の年齢が高すぎるのではないか?

個人的にちょっと気になったのが、700人規模の企業で、40代以上だけで400人のリストラが出来ると言う点です。当然ですが、流石に40代以上をゼロにするわけではないでしょう。ということは、もともと従業員の年齢が高かったということが想像できます。

おそらく予備校業界が盛り上がっていたのは、20年位前ですよね。団塊ジュニアと呼ばれる世代が大学受験をする時期です。その時期に採用した人たちが、いまだに大量に居座っているという状況が想像できます。おそらく、相当歪な社員構成なのでしょう。

その年代の社員ということは、当然ですが、給料もそれなりに払っているはずです。この機会に一気に切りたいと思うのは、経営者の心理としては理解できなくはありません。

リストラにあう社員には大変なことだと思いますが

さて、40を過ぎてリストラにあうのは大変だとは思います。ただ、仕事を選ぶ際に将来のことを考えられたら、こんなことは避けられたのかもしれないと思わなくもありません。

予備校業界の将来性に疑問があったのは、当然と言えば当然ですよね。子供の数が将来的に減っていくことは、確実でしたから。大学進学率が高くなるとしても、子供の数の減少のペースから考えると、ジリ貧なのは否定できないでしょう。2

その時期に予備校業界を選んだのは、本人の選択ミスと言う感じもしないではないのです。しかも、40歳代の人が就職したタイミングは、バブルの最中かバブル崩壊の直後くらいのはずです。就職する学生としては、選択肢が多かったはずなんですよね。選択肢があったのに、予備校業界を選んだということなのです。

もちろん、将来を予想することは難しいことです。予備校が業態を変えて、さらに成長する可能性が無かったわけではありません。例えば、資格の予備校になったり、カルチャーセンター的な業務でうまく行く可能性もあったでしょう。

ですから、今予備校に勤めている人を責めるのは酷だとは思いますけどね。少なくとも当時の業態のままでは存続は難しいことは当時からわかっていたと言うことです。

現在調子がいいことは、必ずしも将来の安泰を意味しない

就職する時点の好調に目を奪われると、将来的な展望を見誤るものかもしれません。これから就職する人は、気をつけたいものですね。

2017年1月追記:住宅メーカーとかマンションのディベロッパーとかはちょっと心配かも

ちなみに、今後の事を考えると、住宅系の業種はちょっと心配な気がします。

今後はマンションの空室率が増えることが予想されています。人口が減っていくという予想があるのに、マンションを建てるペースは衰えていないようですからね。

常識的に考えると、このままのペースでマンションを建て続けるのは厳しくなっていると考えて良いでしょう。ですから率直に言って、このあたりの業界には、明るい未来を描くのは、ちょっと難しいのではないかと思うのです。

もちろん、移民でも大量に入れれば、違った未来が描けるかもしれませんけどね。ヨーロッパの状況を見ていると、移民を積極的に受け入れようという方向に舵を切るとは思い辛いんですよね。


  1. 「3大予備校」にも少子化の波 代ゼミが校舎の7割閉鎖(朝日新聞デジタル)2014年8月23日 []
  2. 2017年1月追記:しかも代々木ゼミナールは、当時、予備校生を対象にした学校というイメージでしたよね。でも、子供の数が減るのは明らかですから、大学の数が変わらない限り、予備校生の数は激減するはずですよね。そこまで考えていれば、将来性は全くないと判断できても良さそうな気がします。なにせ、お客である予備校生がいなくなるわけですから。ある程度のところで、現役向けにシフトできると思っていたのでしょうか。あの時期に代々木ゼミナールに就職した人がどういう判断をしていたのか、非常に気に興味深いですね。 []

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