失業前に確定拠出年金に入っていた人も少なくないでしょう。でも、確定拠出年金って、会社を辞めたらどうなってしまうのでしょうか。
再就職した後に入った会社で確定拠出年金の取扱いがあれば、もちろん、全く問題はありません。転職しても持ち運びができるのが、確定拠出年金のメリットだからです。問題になるのは、転職先が確定拠出年金に入っていないケースや、個人事業主になるようなケースです
失業後の確定拠出年金はどうなる?
勤めていた会社が確定拠出年金の企業型に入っていた場合、退職後に確定拠出年金の移行手続きをしないといけません。
新しい企業が確定拠出年金に入っている場合は、新しい会社の運用管理機関に口座を移す必要があります。まあ、この場合は、基本的には転職先の会社の総務課かどこかが処理をしてくれるでしょう。問題にはならないはずです。
問題なのは、新しい会社が確定拠出年金に入っていない場合や、会社員を辞めて自営業になるような場合です。こんなケースでは、自分自身で個人型に移す必要があります。あるいは、勤続年数が短い場合は、解約して現金化することも可能です。
移行の手続きをしないと、将来の年金が運用されません。どうなるかというと、国民年金基金連合会と言うところに、預けられることになります。ようするに、預かり所で放置されるわけです。
そしてその上、毎月51円の管理手数料を取られてしまいます。金額的には大したことは無いですが、長期的に考えると非常にもったいないです。早めに手を打つことをおすすめします。
全国に43万人も移行手続きをしていない人が
実は、こうした手続きをしていない人は、意外と多いのだそうです。全国に43万人も放置した人がいるのです。1 43万人というと、ちょっとした都市の人口くらいですよね。かなりたくさんの人が放置しているのがわかりますね。
ちなみにこうして放置している人口は、年々増えているのだそうです。確定拠出年金が導入されてから、まだ10年ちょっとしか経っていません。しかも、制度を導入する企業は増えています。ということは、これからも毎年少しずつ増えていってもおかしくは無い状況です。最終的には100万人を超えてもおかしくないということですね。
個人型に移して拠出をする方がお得ですよ
新しい会社が確定拠出年金に入っていなかったり、個人事業主になったりすると、失業後に企業型に入れない場合があります。そういうケースでは、上に書いたように、個人型に移行するか連合会の口座に放置しておくかという選択をしないといけません。
個人型に移って拠出を続けましょう
この場合どちらが有利かというと、確定拠出年金の個人型に入って毎月少しずつでも積立てる方がお得な場合は多そうです。というのも、確定拠出年金は所得税や住民税の節税効果が大きいですからね。個人としてそのメリットを享受するには、掛け金を拠出するしかありません。
ということで、確定拠出年金に入っていない会社に転職する人は、できるだけ早く手続きをすることをお勧めします。少しでも早い方が有利です。
個人事業主になるようなケースではちょっと待ってもいいかも
もっとも、個人事業主になる人は、ちょっと対応が異なる可能性があります。個人事業主の場合は、当面は所得税を払う見込みがないようなケースもあるからです。
所得税を納めないのなら、節税効果も関係ありませんよね。そんな場合は、個人型に移行するのをしばらく待つという選択肢も無くは無いのです。
事業が軌道に載ったら、改めて個人型に移せばいいわけですね。
もちろん、老後の生活資金を準備するために、節税云々とは関係なく確定拠出年金で積立をすると言う選択もあるんですけどね。所得税以外のメリットもありますし。
個人型だと手続きをしないほうが有利な場合も
このように、個人型に移れる場合は移った方が絶対に有利です。しかし、個人事業主になるケースのように、会社を辞めて新たな拠出をしないという選択だってありうるでしょう。
こんな場合は、個人型への移行手続きをしない方が有利な場合もありそうです。真面目に手続きをしたほうが損をするケースもあるのです。
なぜそんなことがおこるかと言うと、運営管理機関は国民年金基金よりも、もっと高い管理手数料を取っていることろが多いからです。年間3,000円から5,000円程度の手数料を取っていることが多いようですね。
それだったら、本格的に再度運用を始めるまでは、放っておくのも一つの手かもしれません。月額51円だと年額で612円で済みますから。明らかに放置するほうが有利です。
まあ個人的には、確定拠出年金の個人型に入り直して運用することをおすすめしますけどね。色々な事情で「今はまだ」ということもあるかもしれません。
SBI証券がお勧め
ちなみに、確定拠出年金の個人型に口座を移すという人は、SBI証券で個人型の口座を作ることをおすすめします。SBI証券は手数料が安いですし、運用対象となるファンドの数も多いからです。個人型を取り扱っている金融機関の中では、かなり真面目にやっている方です。中には酷いところもありますからね。
ちなみに、SBI証券の確定拠出年金(個人型)の資料請求はこちらから。
なんにしても、老後のことを考えると、途中まで積立てた確定拠出年金を放置するのはもったいないです。会社を辞めた後に放っている人は、早めに対処をしましょう。これから会社を辞める人は、忘れずに手続きするようにしましょう。
- <確定拠出年金>積立金43万人が放置(毎日新聞)2014年9月7日 [↩]
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