公立保育所の職員には非正規が多い| 問題があるのは否定しないが印象操作も感じる

毎日新聞が「都内公立保育所>非正規『4割』」という記事を書いていました。都内の保育所で働く保育士の多くが非正規なのかと思って調べてみたら、全然違う結果でした。お得意の印象操作だったみたいです。

都内の公立保育所の職員の4割が非正規

毎日新聞によると、都内の公立保育所の職員の4割が非正規雇用なのだそうです。1 こう書かれるとかなり衝撃的な印象を与えますよね。

保育士というのは常勤の正規雇用をされた人がやっているイメージがあります。その中にかなりの数の非正規雇用の人たちが入っていたとすると、親としてもちょっと心配になってくるのではないでしょうか。

また、保育所不足が問題になっているにも関わらず、保育士を集めるのに積極的でないという方針であると考えることも出来ます。なんともちぐはぐですよね。東京都は財政的に余裕があるのに、何でこんな事をするのだろうと不思議に感じてしまいます。

保育士の4割ではなく職員の4割なのだそうです

ただ実際には、4割の保育士が非正規雇用だということでは無いようです。4割の「職員」が非正規雇用なのであって、必ずしも保育士が非正規ということでは無いのです。記事にも「保育士や調理師・栄養士、用務員ら職員計約1万6000人のうち」と書かれています。

調理師や用務員の場合は、非正規雇用として採用するのはそれ程不思議なことでは無いですよね。パートタイマーとして調理の仕事をする人も少なくないでしょうし、退職後の人を用務員として雇うことだってあるでしょう。

「職員の4割が非正規」という言葉のイメージほどは酷い状況では無いのかもしれません。まあ、気になる統計ではありますけどね。でも、保育士の非正規の数を記事で出していないところを見ると、調理師や用務員が非正規という予想は、正しいのではないかと思うのです。

毎日新聞は意図的な印象操作をしているのでは無いか

この記事に関しては、かなり意図的な印象操作をしようとしてタイトルを付けているのでは無いでしょうか。タイトルだけを見たときと、実際の記事の中身を読んだときとで、大分印象が違うのです。

どう印象操作されているのか、簡単にチェックしてみましょう。まず実際の記事のタイトルは、次のようなものでした。

「<都内公立保育所>非正規「4割」6割超年収130万円未満」

このタイトルだと、どんな仕事をしている人が非正規なのかは書かれていません。そして保育所で働いている人ということになれば、まず思いつくのが保育士です。となると、保育士が非正規として雇われているという印象を持つ人が多いでしょう。

実際、私自身は、そう思ってこの記事をチェックしました。そして、毎日新聞のいつものやつだと分かり、ガッカリしているところです。

タイトルの文字数制限のために偶然間違った印象を与えた可能性が無いわけではありません。例えば「都内公立保育所」を「都内保育所職員」と変えれば、保育士以外の人も含まれているのだと分かりやすくなるでしょう。でも、普段のタイトルの付け方を見ていると、違う意図が働ていると思ってしまうんですよね。

また、「6割超年収130万円未満」というのも誤解を与える書き方です。実は、こっちの方が悪質な感じがしています。

「6割超年収130万円未満」というような書き方をすると、正規も含めた職員の中の6割超だと誤解する人もいるでしょう。しかし、実際には、非正規の職員に限った給与の話なのです。

非正規雇用の職員の6割が130万円未満の年収だったとしても、それほど驚く話では無いですよね。労働時間が短い人だって含まれているでしょうから。

2つ合わせると、意図的に印象をゆがめているとしか思えないんですよね。

逆効果だと思うんだけどなあ

新聞の場合は、記事のタイトルだけをチェックして中身も読まない人が多いでしょう。意図的に実態よりも酷く見せるタイトルを付けているような印象を強く持ちました。

率直に言って、タイトルだけを読むとかなりの悪印象です。読者を騙すような行為が新聞の正義なのかとすら思います。

まあ、よくある手法なので、目くじらを立ててばかりもいられないのですけどね。こういう記事の積み重ねで、どんどん新聞が信じられなくなっているのは事実です。

微妙なタイトルをつけて、読者の数が減っても仕方がないと思っているのでしょうか。あるいは、自社の主張に近い人以外は読まなくても良いと思っているのでしょうか。


  1. <都内公立保育所>非正規「4割」6割超年収130万円未満(毎日新聞)2015年1月13日 []

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