アイデムというところの調査によると、パートタイマーの募集時平均時給が上がっているのだそうです。南関東の4都県では、前年同月比で東京だけが少し下がったものの、他の3件は上昇しているようですね。
民間の調査ですからどの程度正確かは分かりませんが、悪い傾向ではなさそうです。
人手不足からの倒産が増加
その一方で、人手不足関連倒産というのも増えているのだとか。さらには、人件費高騰関連倒産というのも増えているようですね。この2つは、東京商工リサーチの調査結果です。
パートタイマーの時給が上がったというニュースと、人手不足や人件費が上がって倒産しているというニュースは、非常に整合性が取れていますよね。
経済政策の影響で、デフレ時代に有利だった業種が、逆に厳しくなっているということでしょう。
自分の周りの狭い例だけで考えると間違えがち
ちなみに、Yahoo!ニュースのこの記事のコメントに、次のようなものがありました。
おかしいね。コンビニや牛丼店のアルバイトの求人なんか見ると、すきやの鍋騒動の時に少し上がっていたみたいだったけど、最近はまた下がっている傾向のようだけど?
統計などが公表されると、自分の実感と全然あわないと批判する人が必ずいます。今回のコメントも、批判こそしていませんが、かなり疑っている様子ですね。
でも、少なくとも今回の件に関しては、記事の内容はそれ程間違っては無いでしょう。アイデムの調査がどれだけ正しいかは分かりませんが、東京商工リサーチのほうの調査はそれなりに信頼できるはずです。それに、有効求人倍率などの数字も改善していますから。
そもそも、パートタイムの仕事って、小売とか飲食店だけではありませんよね。自分の周りの地域の小売店と飲食店だけを見た結果で批判するのは、統計の見方として正しくないでしょう。
また、このコメントを書いた人は、そもそも統計の見方を誤解しているふしがあります。今回の結果は、あくまで前年同月との比較です。その一方で、コメントでの指摘は、もっと短いスパンでの変化ですよね。ですから、批判自体が的外れである可能性も大きいです。
まあ、Yahoo!ニュースのコメント欄には、もっとひどいものも多いですけどね。
2017年1月追記:その後もパートタイムの賃金は上昇しているようです
この傾向はその後も続いているのか、ちょっと確認してみることにしました。どうやら、アルバイトやパートタイムの賃金は、その後も上昇しているようですね。
データを見つけたのは、ガーベージニュースというサイトです。その中の「アルバイトの時給動向をグラフ化してみる(2016年)」というページに2016年11月までのパート・アルバイト募集平均時給というグラフがありました。ちなみに、三大都市圏を対象にしたものです。
それによると、パート・アルバイトの時給はこのページを作った2年前よりも上昇しているようです。時給平均で1,002円と、1,000円を超えているようですね。
少なくとも雇用関連の政策に関しては、安倍政権は非常にうまくやっているようです。それでも、それを認めたくない人が一定数いるみたいですけどね。不思議な事です。
タグ: 人件費高騰関連倒産, 人手不足関連倒産, 東京商工リサーチ
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