よく、株価が上がっても金持ちが得をするだけで庶民には関係が無いという人がいます。特に、雇用関係でけちをつける人が多いようですね。
でも、本当にそうなのでしょうか。株価だけが上がって景気が上向かないとか、株価だけが上がって雇用が回復しないなんて状態が、狙って作れるのでしょうか。
常識的には、ちょっと考え辛いです。
株価と雇用には強いプラスの相関がある
このことに関して、興味深い記述を見つけました。ちなみに、元内閣参事官の高橋洋一氏の記事の一部です。
日本の株価について、バブル崩壊以降の1995年から年平均で見て、その年の名目国内総生産(GDP)との関係をみると、相関係数は0・7程度になる。米英では相関係数が0・9程度であるのと比べると低いが、それでも景気と株価の間には、一定の相関がある。1
ここにあるように、株価と景気には強いプラスの相関があるようです。プラスの相関というのは、要するに、株価が上がれば景気がよくなる確率が高いということです。
景気がよくなれば雇用も増えるわけですから、世の中で株高を批判している人の意見が荒唐無稽であることが分かります。
こうした事実を否定したい人は今でもいて、あれやこれやと理屈をつけて批判しています。でも、統計的に関連が説明できているのですから、何を言っても、説得力に欠ける意見と言えるでしょう。
金融緩和が株価にも景気にも雇用にも効果がある
ところで、株価と景気、雇用に関連があるのは、ある意味当然と言えるでしょう。
まず、雇用に関しては、金融政策で対応可能であると考えられています。例えばアメリカだと、雇用に関する政策責任をおっているのは、FRB の議長です。日本で言ったら、日銀総裁にあたる人ですね。その立場の人が雇用の責任を負うという事は、金融政策で雇用対策ができると考えられているからです。
次に株価ですが、株価も金融政策で上げることが可能です。金利は株価を決定するファクターの一つと見られています。金利が下がれば、株価は上がるわけですね。
ということは、株価が上がったから雇用状況がよくなったというわけでは無いことになります。むしろ、金利が下がったから、株価も上がり雇用もよくなったという理解をする方が正しいでしょう。
ただ、株価というのはいわゆる先行指標です。一方で、有効求人倍率や完全失業率などの雇用の指標は、いわゆる遅行指標です。ですから、順番としては株価が上がってから、雇用環境がよくなるように見えるわけですね。
世の中の誤った意見に惑わされないのが大事
とにかく大事なことは、一部の人のエキセントリックな意見に惑わされないことです。株価が上がるのは、金持ちだけのメリットではありません。
ちょっと厄介なのが、専門家や知識人を装った人が、いいかげんなことをいう事が多いという点でしょうか。経済の専門家風の人が、「株価が上がっても金持ちのメリットにしかならない」なんていったら、普通の人は信じてしまいますよね。
ニュース解説員とか経済部記者なんていう人たちが、かなり怪しいことをいう事が多いようです。まあ、時には、経済系の大学教授がとんでもないことを言ったりもしますけど。全然あたらない予想を何年も続けても、テレビに出続ける大学教授とかいるんですよね。固有名詞は挙げませけど。
何にしても、一部の専門家は、自説を通すために、かなり無茶な主張をすることがあるようです。ですから、注意が必要です。
- 株高を喜ばない人々の論理 雇用改善との関係理解せず
zakzak 2015.04.18 [↩]
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