日本にいるホームレスは6,541人| この数字が本当なら金銭的にはホームレス問題の解決なんて簡単だね

厚生労働省は毎年1回、ホームレスの数を調査しているようです。「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」という調査ですね。

その調査の2015年の結果が出てきました。2015年1月の調査時点のホームレスの数は、全国で6,541人だったようです。

ちなみに内訳ですが、男性が6,040人、女性が206人、性別不明が295人だったとか。性別不明が295人もいるのは、目視による調査だったためなのでしょう。それにしても、性別不明の数がちょっと多すぎる感じですが。

また興味深いのが、男性が圧倒的に多いという点です。女性の約30倍も男性のホームレスがいるわけですね。ここまでの差があるという事は、男性の方がホームレスになり易い要因があるという事でしょうね。

数が少なすぎる

さて、全国に6,541人のホームレスがいるという事実を、あなたはどう思いますか?

率直に言って私は、「こんなに少ないはずがないだろう」という感想を持ちました。というのも、身の回りのホームレスの数から想像すると、桁が違うようにすら思うのです。

例えば私の自宅周辺には、数人のホームレスが居ついているようです。幹線道路にもターミナル駅にも近いという立地のため、よそよりは多いのだろうとは思います。まあそれでも、普通の住宅街に住んでいて、かなりの数のホームレスがいると感じるのです。

こういった場所が全国的に広がっていると思えば、さすがに六千人台などという数でおさまるわけがないという印象を持つわけです。厚生労働省の出してきた数字だからと言って、「はいそうですか」と納得はできません。

まあ、目視による調査をしているらしいので、調査に限界があるのでしょうけどね。それにしても、これだけ実感にあわない公的な調査も珍しいと感じました。

六千人ならホームレス問題の解決は簡単かも(少なくとも金銭的には)

仮に厚生労働省が言うように、ホームレスが全国に6,541人しかいないとしましょう。そうであれば、ホームレスの問題を解決するのは予算的には難しくないですよね。

例えば、一人につき年間300万円を支給するとします。ざっくりと6,000人に渡すとして180億円です。決して小さい額ではありませんが、このくらいの額なら、十分予算として取れるはずです。

もともと生活レベルとしては、生活保護を受けようと思えば受けられる人たちが多いはずです。法整備さえできれば、ホームレスは一掃できてしまうでしょう。少なくとも、金銭的な問題だけなら。

お金の問題だけでも無いようですけどね

もっとも、単純にお金を渡せば問題が解決するというわけでもなさそうですけどね。

というのも、ホームレスの人の中には、対人関係が上手く行かない人が多いようです。そもそも社会に溶け込むのが難しい人がホームレスになっているという現状があるのです。

さらには、うつとか知的障害といった要因が絡むという指摘もあります。ですから、単純にお金を配っておしまいとは行かないようなのです。

まあ、それでも、金銭的な意味では十分に解決が可能だという事は、知っておいて損は無い情報だと思います。あくまで、「厚生労働省の調査が正しければ」という前提はつきますが。

ホームレスはピーク時の4分の1以下に

ところでこの調査には、6,541人という人数以外にも、興味深い点がありました。長期的に見てみると、ホームレスの数はかなり減っているのです。

過去の調査をちょっと見てみましょう。過去の調査を見てみると、平成15年の調査では、全国のホームレスは25,296人もいたのだそうです。それが平成22年の調査では、ホームレスの数は13,124人にまで減っています。そして、今回の調査で6,541人まで減ったことが確認されたわけです。

実数と言う意味では、上にも書いたように、ちょっと疑問も感じています。ただ、同じ調査方法で継続的に調査した結果、大きく減少していると言うのは、重要なポイントでしょう。

この調査結果を見ると、ブルーシートの小屋で生活するような典型的なホームレスは、少なくともかなり減少していると考えていいでしょう。なにせ平成15年の調査と比べると約4分の1まで減っていますから。

この点に関しては、行政に対して、一定の評価はしても良いはずです。

Yahoo!ニュースなどを見てると、この結果に納得がいかない人もいるようですけどね。まあ、100点じゃなければ0点と言うタイプの人は何処の世界にもいますから。

地域的な偏りが酷い

ちなみに今回の調査では、都道府県別のホームレスの数も調べています。その結果を見ると、予想通りとし言えば予想通りですが、大都市にホームレスは集中しているようです。

ちなみに、一番多いのが大阪府です。1,657人のホームレスがいるようですね。その次に多いのが東京都で、1,498人のホームレスがいます。そして3番目に多かったのが神奈川県で、1,204人のホームレスがいます。

1,000を超えるホームレスが要るのは、この3都府県だけでした。4番目に多いのが愛知県の367人という事なので、上位3つが圧倒的にたくさんのホームレスを抱えていることになります。

ちなみに、上位3都府県の数字を合計すると、4,359人のホームレスがいることになります。全国のホームレスの大部分が、大阪、東京、神奈川に集まっているという構図が見て取れます。

この数字を見ると、最初に感じた私の違和感が少し解消されます。ホームレスは意外と狭い地域に固まっている可能性があるということですよね。

大都市でもホームレスが少ない地域もある

ですから、たまたま自宅周辺でまとまった数のホームレスを見る機会があるのでしょう。上にも書いたように、自宅はターミナル駅と幹線道路が近い場所なので、仕方がないことのようです。

それにしても、ちょっと意外なのが、愛知県や兵庫県、福岡県、埼玉県、千葉県などのホームレスが少ないという点です。まあ、少ないと言っても、200人とか300人のホームはいるのですけどね。

それでも、神奈川県や大阪府の水準に比べると、かなり少ない印象があります。政治家のスタンスなどの要因で、ホームレスが留まり易い地域と言うのがあるのでしょうか。確かに、リベラル色が強い政治家が市長や知事をしていると、そういう傾向が生まれてくる可能性はありそうですね。

北海道や東北、北陸に住むホームレスはどうやって冬を越すのだろう?

もう一つ不思議なのが、北海道や東北、北陸にも、少ないながらもホームレスがいるという点です。これらの地域に住むホームレスって、どうやって冬を越すのでしょうか。

常識的に考えれば、暖かい地域に移った方が暮らし易いはずですよね。これだけ移動手段がある時代ですから、ホームレスでも暖かい地域に移動するくらいはできそうだと思うのですが。

ホームレスなりに、その地域に生活インフラとかが出来るのかなあ?不思議ですね。



スポンサードリンク

スポンサードリンク

関連した記事を読む


コメントは受け付けていません。