景気が良くなったら雇用保険の失業手当を増やす?本末転倒だと思うのですが

厚生労働省は雇用保険の失業手当の給付日数を増やすことを考えているようです。今回対象になるのは、自発的に離職した人です。最低でも上限を30日増やす方針なのだとか。1

私たち労働者の側からしたら、失業した場合のセーフティーネットが強化されることになるわけです。喜ばしい変更だと言って良いでしょう。

制度設計としてはおかしくない?

ただ、雇用保険の制度設計としては、今回の給付の引き上げには疑問を感じます。

雇用保険の給付日数というのは、経済状況でこれまでも時々変更されています。例えば2003年度には給付日数は「90~180日」から「90~150日」に減らされているのです。これが直近の変更ですね。

ちなみに、この時は何で給付日数が減ったのかというと、失業者が増えて雇用保険の財政が悪化したからです。要するに、失業者に給付するお金が足りなくなったからです。

でも、これって、かなりおかしな話だと思いませんか?

雇用保険の財務状況が悪くなったという事は、失業が増えていたという事ですよね。実際、例えば2003年11月月の完全失業率は、5.1%もありました。

という事は、厚生労働省は景気が悪くなると失業保険の給付を減らし、景気が良くなると給付を増やすわけです。これって、どう考えても逆ですよね。

雇用保険の財務状況が厳しくなる時には、当然ですが、再就職も難しくなっているわけです。そうであれば、本来的には、こういう時期に失業手当を増やしてほしいはずです。

逆に今のような時期には、再就職も比較的容易になっているでしょう。完全失業率は3%程度にまで下がって、比較的転職もしやすいはずですから。

つまり厚生労働省は、仕事を見つけやすい時期に失業手当の給付を増やし、仕事が見つからない時に給付を減らしているのです。これって、完全に逆ですよね。

もちろん、給付が増えるのは歓迎ですが。根本的に制度設計がおかしいんじゃないかと思います。


  1. 失業手当、自発的離職も給付厚く 日数増で転職後押し 厚労省
    日経新聞 2016年9月5日 []

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