日本人は働きすぎというイメージはありますよね。最近は、電通の新入社員が長時間労働による過労でうつになり自殺したことで、特に注目されている話題です。
ネットの反応などを見ていると、どうやら、日本人は働きすぎと考えている人が多いようですね。確かに、以前から日本人は働きすぎだるとよく言われます。
でも、実際には、日本人はそんなに働いているのでしょうか。どうやら、必ずしも日本人が働きすぎという事も言えないようです。
アメリカよりも労働時間が短い日本人?
独立行政法人の労働政策研究・研修機構の、国際労働比較2015というデータブックによると、実は日本の労働時間はアメリカよりも短いのです。これは、イメージとだいぶ違うという人が多いはずです。
もう少し細かく書くと、2013年の「一人当たり平均年間総実労働時間」は日本が1,735時間だったのに対し、アメリカは1,788時間でした。アメリカの方が53時間も長いのです。1週間に1時間長い感じですね。
ちなみに、他の国は次のような状況です。
- 日本:1,735時間
- イタリア:1,752時間
- アメリカ:1,788時間
- イギリス:1,669時間
- スウェーデン:1,607時間
- フランス:1,489時間
- ドイツ:1,388時間
- 韓国:2,071時間
ドイツやフランスが短いのに、イギリスは結構長いのですね。あと、韓国は噂通り労働時間が長いようです。
もっとも、この調査は、国によって基準にバラつきがあるようです。ですから、あくまで参考程度の数字ではありますけどね。
日本の労働時間は確実に短くなっている
また、このドキュメントには、労働時間の推移も掲載されています。それによると日本の労働時間は、確実に短くなっているようですね。
例えば、1990年には2,031時間でしたが、2000年には1,821時間、2010年には1,733時間と、着実に短くなる傾向です。やっぱり、イメージだけで単純に日本人が働きすぎと言ってはいけないようです。
もちろん、電通の新入社員のケースのように、働きすぎの職場が無いわけではありません。でも、日本人全体が働きすぎであるという方向に議論を持っていくのは、ちょっと違うような気がしてなりません。
ま、今回は、自殺したのが若い女性でしたからね。世論が燃え上がるのも、分からなくはありませんが。
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