有効求人倍率が改善しても増えたのは条件の悪い警備や介護の仕事ばかり?

有効求人倍率が改善したというニュースに対する反応として、「増えたのは警備や介護の仕事ばかり」というようなコメントがありました。どうやら、条件の悪い仕事ばかりが増えて、いい仕事は増えていないのだと言いたいようです。

これって、誰がどう考えても滅茶苦茶な意見ですよね。でも、これに「そう思う」を付ける人が意外と多いので驚きました。日本人大丈夫か?

雇用の状況は改善しています

2012年末に第2次安倍政権が誕生していらい、雇用の状況は確実に改善しています。例えば、2016年11月の有効求人倍率は1.41倍だったそうです。実に、25年ぶりの数字という事です。1 ちなみに、完全失業率は3.1%でした。

完全失業率に関しては2.5%程度にまで下がる余地はあると指摘する人もいます。その意味では、まだ道半ばなのかもしれません。

ただ、大きく改善していることは間違いありません。有効求人倍率1.41倍というのは、誰が見ても文句が言えない数字だと思われます。

Yahoo!ニュースのコメント欄などでは批判の嵐

しかし、Yahoo!ニュースのコメント欄などを見ると、このニュースに対して気に食わない人が多いようです。上位のコメントには、「増えたの警備や介護の非正規の仕事だけ」といったものが並んでいました。

どうやら、有効求人倍率が改善しても、条件の良い正規社員の仕事は増えていないと言いたいようなのです。人が就きたくないような仕事ばかりが増えていると言いたいのでしょう。いくら何でも無茶苦茶な言い分だとは思いますけど。

いつも思うのですが、このようなコメントをする人たちって、どんな不幸な状況で生きているのでしょうか。単純に、実生活の不満をコメント欄にぶつけているようにしか思えないんですよね。反発を感じる以前に、ちょっと哀れに思ってしまいます。

でも、こういったコメントに同調する人も多いんですよね。もしかして、本気でこういったコメントを信じているのでしょうか。だとすると、日本人は大丈夫なのか心配になります。

さもなくば、政治的な意図をもって批判しているかですよね。難癖でも何でも、現政権の経済政策を批判したい人も混じっていそうな気はします。そういう人がコメントをして、「そう思う」を押して回っているのかしら。

警備や介護の仕事ばかりのはずがない

何にしても、この手の批判って、完全に支離滅裂なんですよね。だって、条件が悪い仕事ばかりが増える状況なんて、想定のしようがありませんから。

警備の仕事にしろ介護の仕事にしろ、必要な人員の上限は決まっていますよね。ということは、求人倍率が増えた時に、それが警備とか介護の仕事ばかりなんてことはあり得ないのです。絶対に。

また、有効求人倍率が増えるという事は、それだけ人材の確保が難しくなっているはずです。ということは、正規社員の求人だって増えてきても不思議ではありません。企業としては人材を囲い込みたいと思いますから、正規社員を増やす方向に動くのです。

このように考えてみると、彼らの主張がいかに馬鹿げたものか分かるでしょう。

正社員の有効求人数は増えている

実際、厚生労働省のドキュメントに、次のような数字が出ていました。

まず、平成22年度(2010年度)の有効求人数が148.2万人だったのに対して、正社員に限った場合の有効求人は64.8万人でした。これがここ数年で1番悪い数字です。

これが平成27年度(2015年度)には有効求人数が241.5万人で、正社員の有効求人数が102.1万人にまで改善しています。2

この数字を見たら、一目瞭然ですよね。有効求人数が増えるにしたがって、正社員の求人も増えています。少し頭を使って考えたら、誰でもわかる話だと思いますけど。そしておそらく、平成28年はこの数字がさらに改善するはずです。

経済ニュースに関しては、この手の悪質な批判が目立つ気がします。今回は無責任なニュースサイトのコメント欄でしたけど、政治家の発言でも結構出鱈目なものが目立つんですよね。

大丈夫だとは思いますが、批判のための批判に惑わされないようにしましょう。


  1. 11月求人倍率、1.41倍に改善=25年ぶり高水準―失業率は3.1%
    時事通信 2016/12/27 []
  2. 正社員求人の動向
    労働市場分析レポート 第69号 平成28年7月29日 []

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