雇用保険の基本手当(失業保険)の受給手続きをする上で大事なものに、「離職票」があります。手続きの最初にこの離職票を出さないと、失業保険の受給が出来ないのです。
ただ、離職票がスムーズに交付されるかというと、必ずしもそういう事でもないようです。何か月たっても交付されないという、失業者にとって不幸なケースもあるようですね。何でそんなことが起こるのでしょうか。また、そんな場合はどうしたらいいのでしょうか。
そもそも離職票って何?
会社を辞めると会社から「離職票」というものが送られてきます。
この離職票というのはとても重要な書類です。なぜかというと、失業保険の手続きをするには離職票が必要だからです。つまり、離職票が無いと失業保険がもらえないわけですね。
ちなみに離職票には、退職理由や過去半年分の給与などが書かれています。これが失業保険の1日当たりの額を決めるためには使われるので、離職票は非常に重要な書類と言って良いでしょう。
離職票はいつ受け取れるの
離職票を受け取るまでには、数日はかかります。次に説明するように、現在の制度上、この期間をこれ以上短縮することはできないのです。
具体的にどのくらいの期間かかるかは、勤めていた会社によってまちまちというのが実情のようです。早いところだと3日とか4日程度で受け取れるケースもあるようですし、悪質なところだと何か月たっても受け取れないようなケースもあるようです。さらにひどい場合は、会社の怠慢で受け取ることが出来ないようなケースもあるのだとか。
後述しますが、離職票を受け取るのが遅れることは、失業者にとっては大きなデメリットです。
離職票を受け取るまでの流れは?
離職票というのは、実は、ハローワークが発行する書類です。会社がハローワークに離職証明書というのを出すと交付されるのです。そして会社は、その離職票を仕事を辞める人に渡すという手順を取るわけです。
つまり、会社が申請を離職票を受け取り、それを失業者に渡すことになるのです。通常は会社が離職票を郵送するのが一般的でしょうか。既に仕事を辞めた後ですからね。
このような手続きが要るので、離職票を受け取るには結構な手間がかかります。最短でも数日かかる理由もご理解いただけるのではないでしょうか。そして、会社がちゃんと手続きをしないと、離職票が送られてこないこともあるわけですね。
この手続きは非常に非効率じゃない?
ところで、はっきり言って、離職票の交付手続きってかなり無駄な事をやっていると思いませんか?何が無駄なのかちょっと確認してみましょう。
失業者が離職票をハローワークに出すまでの流れを整理すると、大体次のような感じです。
- 会社がハローワークAに離職票の交付を請求
- ハローワークAは会社に離職票を交付
- 会社は離職者に離職票を送付
- 離職者は失業保険の手続きのためにハローワークBに離職票を提出
でも、結局のところ、必要なデータがハローワークAからハローワークBに渡ればいいわけですよね。そうすれば、離職票交付の手間はかなり軽減されるでしょう。
離職票のデータは、当然ですが、コンピュータで管理されているはずです。そうであれば、ハローワークAからハローワークBにデータを送るなんて、ちょっとしたシステム開発で対応できそうな気がします。
システム的な問題よりも、法改正の方が厄介なのかな。官僚と国会議員がその気にならないと、変更はできないわけですから。何にしても、時代にあわない仕組みに思えてなりません。
しかも、効率が悪いだけでなく、失業者にとって不利益なんですよね。詳しくは後述しますが、離職票の交付が遅れれば、失業保険を貰える日数が短くなる可能性があるわけですから。
離職票の受け取りが遅れるデメリット
離職票を受け取るのが遅くなるのは、失業者にとって大きなデメリットです。具体的に2つ大きな問題があります。
一つは、就職活動の開始が遅れるという点でしょう。失業者は離職票を持ってハローワークに行き、就職活動を始めることなります。という事は、離職票を受け取れなければ、就職活動が始まらないという事になりますよね。
正確に言うと、離職票が無くても就職活動をすること自体は可能なのですけどね。一週間程度で交付されると思っていれば、それを待つのが自然な反応でしょう。結果的に長期間待たされることになれば、それは間違いなく不利な事です。
もう一つが、受け取る失業保険の額が少なくなる可能性が大きいという点です。失業保険は、当然ですが、再就職したらそこで打ち切りです。ということは、離職票の交付が遅れれば、その分だけ失業保険の受給日数を多く残した状態で再就職する事になるわけです。
失業した人の中には、1日も早く仕事に就きたいと思う人だって多いでしょう。そういう人は、給付日数が残っていても再就職してしまうでしょうしね。特に就職を急いでいる人だと、こういうことは起こりえますよね。
仮に1日の失業で失業保険が5,000円給付されるとします。離職票の交付の遅れにより10日間給付が短くなったとしたら、5万円の損失です。20日短くなったら10万円。これって、結構バカにならない額ですよね。
受け取れないときにはどうしたらいいの?
上にも書きましたが、会社の怠慢などが理由で、離職票が受け取れないケースも存在します。さらに会社が倒産して、離職票どころではないというケースだってあり得ますよね。そんなときには、どうしたらいいのでしょうか。
会社がある場合は、まずは会社に催促をすべきでしょう。それでも手続きをしてくれない場合は、ハローワークに相談するという流れになります。そうすると、ハローワークが会社に交付を促してれるのだそうです。
急に倒産したようなケースだと、ハローワークに行くしかないのかもしれません。ルール上は破産管財人が手続きをすることになっているようですけどね。かなり後回しにされそうですから。
ちなみにハローワークに行くと、ハローワークが代わりに離職票を発行してくれるケースもあるようです。しかし、書類の不備などで発行してもらえないケースも多いのだとか。
何にしても、会社が離職票を交付しないケースでは、失業保険の受給が遅れる事になりそうです。勤め先の選択を間違うと、辞めてからも苦労するという事ですね。その意味でも、就職は慎重にしないといけません。
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