病気で仕事に行くのが難しいケースって、当然あり得ますよね。病状にもよりますが、致し方ない事と考えるのが社会的な常識でしょう。
でも、そんな欠勤に対して会社から罰金を取られるというケースもあるのだとか。ちょっと信じがたいですが、実際にそんな事件がありました。しかも大手のコンビニで。コンビニはオーナーによって当たり外れが大きそうですね。
さて、こんな無理筋とも思える罰金って、問題が無いのでしょうか?
セブンイレブンでバイトを休んだ女子高生に罰金
セブンイレブンで、バイトを休んだ女子高生が罰金を取られたという事件があったのだそうです。休んだ理由は風邪を引いたためで、罰金の額は9,350円だったのだとか。もう少し正確に書くと「店側は『休む代わりに働く人を探さなかったペナルティー』」を科したのだとか。1
病気が理由で休んだ人間に罰金を科すって、常識的で考えてもちょっと酷すぎる感じですよね。でも、この店のオーナーはそう思わなかったのでしょう。コンビニのオーナーは個人事業主がやっていることが多いのでしょうから、変な人が混じっている可能性も捨てきれないのでしょうね。
また、このオーナーの理屈が正しいとすると、代わりに働く人間をアルバイトが探さないといけないことになってしまいます。この理屈も、私たちの常識とはかけ離れている気がします。
労基法の基本くらいは知っておきましょう
さて、社会常識で考えると許されないような罰金ですが、法的にはどうなっているのでしょうか。結論から書いてしまうと、従業員に対して一定の制裁をすることは可能ですが、こんな制裁は全く許されません。
そもそも労働基準法によると、「減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならない」「総額が賃金総額の10分の1を超えてはならない」というような規定があるのです。
今回のケースでは、減給額が丸々2日分のバイト代ということでした。ということで、1日分の半額を超えてはならないという規定に引っかかります。しかも、月々のバイト代である2万3375円のうちの9,350円が引かれたという事ですから、賃金総額の10分の1云々という部分で考えてもアウトです。
つまり、完全に違法な制裁金だと言って良いでしょう。
コンビニのオーナーが労基法を熟知している必要があるとは思いません。しかし、基本的な部分くらいは知っていてほしいものですね。
例えば、制裁金を科すにしても上限があると知っていれば、こんな制裁は科さなかったでしょう。あるいは、知っていて制裁金を科した可能性もありそうですけどね。病人にこんな事が出来るようなオーナーですから。
セブンイレブンのイメージがさらに悪化するんだろうな
今回のケースは細かく考えると、さらに突っ込みどころがあります。そもそも病欠の従業員に対して制裁金を科すことが出来るのかという部分は大きな問題でしょう。
そもそもセブンイレブンと言えば、ブラック企業のイメージが強い企業です。一つのフランチャイズの店舗で起こった事件とは言え、こんなことが起こるとイメージはさらに悪くなりそうですね。イメージを改善するために、それなりに努力はしているのでしょうけどね。
まあ、フランチャイズのオーナーの教育も本部の仕事ですから、徹底できなかったという意味ではセブンイレブンの本部にも責任はあるのでしょうけどね。全てのオーナーの管理を徹底するのも、簡単ではなさそうです。
- <セブン加盟店>バイト病欠で罰金 女子高生から9350円
毎日新聞 2017/1/31 [↩]
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