新卒者向けのホワイトカラーの求人が減ったと言うのは嘘。
そんな意見がある。
現在のマスコミの報道を見ると、にわかには信じがたい。
内定率が大きく下がっていると、毎日のように報道されているしね。
でも、数字の面では裏づけがある。
大学生になる数が増えたのが大きい
実際問題として、大卒の内定率は下がっている。
なぜ求人が減ったわけではないのに、内定率が下がっているのだろうか?
その理由は、大学の進学者数が増えたためだ。
ホワイトカラーの求人数が変わらなくても、大学生の数自体が増えた。
だから、職を見つけられない大学生が増えたのだ。
ホワイトカラーの労働市場自体の変化があったわけでは無い。
10年前20年前だったら大学に入れなかった人材も大学に入るようになった。
このことから、就職活動が激化しているように見えるというのが記事の主張だ。
一応筋がとおった主張と言って良いだろう。
ちなみに、この議論は次の記事の概略をまとめたものだ。
http://www.news-postseven.com/archives/20110116_9723.html
労働市場全体に関しては見落としも
上の議論は、ホワイトカラーの就職市場に関しては正しいだろう。
しかし、新卒者の就職という点に関しては、一面の事実しかとらえていない。
高校・大学をあわせた新卒の就職市場で、仕事を見つけられない人がいると言うのは事実なのだ。
ホワイトカラーの求人が減っていないにも関わらず、職につけない人はいるわけだ。
なぜこんなことが起こるのだろう?
論理的に考えると、新卒がつける仕事自体は減っていると考えて良いだろう。
しかし、ホワイトカラーの仕事は減っていない。
ということは、ブルーカラーの求人が減っていると考えるのが自然だろう。
確かに、高度成長期からバブル期にかけて多かった、ゼネコン関係の仕事は減っているはずだ。
工場も比較的単純なものは海外に移転しているはずだ。
あるいは、海外との競争に敗れて、撤退している産業もある。
ホワイトカラーの職が減っていないからと言って、就職しにくくなっていないとは言えない。
タグ: ブルーカラー, ホワイトカラー, 内定率, 嘘, 大卒, 就職, 新卒
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