失業保険という名前の、公的な保険が存在する?

「失業保険」という名前を聞いたことがある人は多いでしょう。実際Google Trends で調べてみても、「失業保険」で検索している人は多いです。またこのサイトでも、サイトのタイトルに「失業保険」という名称を入れています。

でも、実際には、「失業保険」という公的な保険制度は存在しません。それでは失業保険というのは、いったい何なのでしょうか。

現在は失業保険という公的な保険は存在しない

失業保険と言う名前を良く聞きます。ただ、失業保険とは一体どのようなものなのでしょうか。そして、そもそも、失業保険という保険は存在するのでしょうか。

私たちが失業し、失業の届出をハローワークにすると、お金がもらえます。このことはご存知の方が多いでしょう。

ハローワークからもらえるお金は、年齢や働いた期間、 働いていたときの給与、失業の期間など様々な条件に応じて決められています。このお金の事を一般には「失業保険」と言うようです。

しかし、失業保険という言い方は正確ではありません。上に書いたように、少なくとも今の日本には「失業保険」という制度は無いからです。

雇用保険の「基本給付」が正確

では、失業した後にもらえるお金は何なのかというと、雇用保険の基本給付というものです。失業給付とも呼ばれます。もっとも、ハローワークに行って失業保険といえば、雇用保険の失業給付だと分かってもらえますけどね。

このサイトでは分かりやすさを優先し、基本的に馴染みがあるであろう失業保険という用語を使うことにしました。それでも、失業保険と呼ばれる保険が存在しないことくらいは、把握しておいた方が良いでしょう。正確な用語を知らないと、情報収集をするときに困ったりしますからね。

ちなみに雇用保険というのは、企業や個人に雇われて働く全ての人が入ることになっています。あくまで基本的にはという話で、例外はありますけどね。

「失業保険」で検索する人は意外と多い

失業保険という名前の保険は現在では存在しませんが、失業保険という言葉を使っている人は多いようです。それは、Google Trends などで調べてみるとよく分かります。

これは過去5年の「失業保険」と「雇用保険」の検索数の推移を表したグラフです。これを見ると分かるように、「失業保険」で検索している人はかなり多いのです。さすがに正式名称である「雇用保険」には負けますけどね。

「失業保険」という保険が存在していた

ちなみに過去には、「失業保険」という保険が実際に存在していました。ただ、昭和50年に失業保険という制度はなくなり、雇用保険に切り替わっています。つまり、いまだに40年前の名称を使っている人が少なからずいるという事なのです。

詳しくは、次のページをご覧ください

補足

雇用保険の保険者は国です。保険者というのは、生命保険や損害保険における保険会社の役割をする人や組織の事ですね。保険を運営している組織という言い方をしても良いかもしれません。1

また、雇用保険の根拠は、雇用保険法という法律で定められています。この法律はハローワークなどの役割も定めている法律です。


  1. 正確には、保険者は次のように定義されています。「【保険者】保険契約に基づいて、保険料を徴収し、保険事故の発生の際に保険金を支払う義務を負う者。」(デジタル大辞泉) []

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