アルバイト(フリーター)って失業保険に入ることが出来るの?

いわゆるフリーターは失業保険に入れるのでしょうか。このあたりの事をよく知らない人は多そうです。現在の制度ではどうなっているのか確認してみましょう。

フリーターは失業保険に入れるのか

アルバイトで生計を立てるような人、いわゆるフリーターは、失業保険に入ることが出来るのでしょうか。

この点は疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。あるいは、フリーターには関係ない話だと、最初からあきらめている人が多いのかもしれません。

ただ、仕事を失うと直ちに生活に困るという意味では、こういう人達にこそ失業保険(正確には雇用保険)は必要ですよね。現在の制度はどうなっているのでしょう。

一定の条件を満たすと雇用保険に入れます

結論から書いてしまうと、一定の条件を満たせば、フリーターでも雇用保険に入ることが出来、失業給付を受けられます。

ただ、あくまで、制度上は入れるという話ですけどね。実体では、そこまで徹底されていないことも多いようです。

ちなみに、雇用保険に入れるかどうかは、職場側の条件と労働者の条件があります。職場が雇用保険に入るのが必要と認められ、労働者が一定の条件を満たすと初めて雇用保険に入れるのです。

職場(正確には事業所)の条件

まず、職場側の条件をみてみましょう。

次の何れかを満たしている時、その事業所は雇用保険に入らないといけません。

  • 法人である(株式会社・有限会社など)
  • 個人事業で農業・林業・水産業以外の業種である

これを見ると分かるように、一部の例外以外は、ほとんどが雇用保険に入らないといけません。ですから、この点に関しては、通常は心配要らないでしょう。

また、個人であっても基本的に雇用保険に入らないといけないというのは、かなり大事なルールです。しかし、このルールは知らない人の方が多いような気がします。

労働者の条件

次に労働者側の条件です。労働者に関しては、次のような条件を全て満たしている必要があります。

  • 1週間の労働時間が20時間以上であること
  • 学生で無いこと(ただし、夜間の学生や休学中などならO.K.)
  • 一つのところで1年以上働く事が予想される事

でも、いわゆるフリーターなら、こんな条件は満たしているはずですよね。アルバイトで生計を立てているのなら、週に20時間以上は同じ職場で働くでしょう。それに、普通は、1年以上働きますよね。

ですから法律上は、多くのフリーターは雇用保険に入れるはずなのです。

実態としては制度通りになっていない

上に書いたように、アルバイトで生計を立てるような人なら、雇用保険に入るのは難しいことではありません。というか、強制的に入れられてしまうはずです。

しかし、実態としては、必ずしもそうはなっていないのです。その理由は簡単で、雇う側が届出をしない事が多いのです。

雇用保険の保険料は、労働者と事業主がそれぞれ決められた割合を支払うことになっています。これを書いている時点では、「一般の事業」の場合、事業主が7に対して労働者が4と決まっています。

このことから分かるように、雇用保険に入ると事業主の負担が増えるのです。それを避けるために、わざと届出をしないことがあるわけです。

ちなみに労働者の保険料は、基本的には天引きされる事になっています。ですから、労働者本人は気づかなくても、雇用保険の保険料を支払っていることもあそうです。給与明細なんて細かく見ない人も多いでしょうから、次づいていない人も多いのではないでしょうか。

さて、金銭的なことを除いても、雇う側に雇用保険に入るデメリットはあります。雇用保険に入るということは、事務負担が増えるということです。出費が増える上に余分な仕事が増えるのですから、これを避けたいと思うのは不思議ではありませんよね。

さらに言うと、雇っている側が制度を熟知していないという可能性も大いにあります。例えば「個人事業だから自分たちは関係ない」などと思い込み、調べもしない事業主も多そうです。

理由は色々考えられますが、何にしても、ルール通りには行っていない事も多いのです。

過去にさかのぼって雇用保険は適用される

さて、理由はともあれ勤め先が雇用保険の加入手続きを怠っていた場合、労働者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。実は、これに関しては対処法が2つあります。

一つは従業員が事業主に対して加入を要求するという方法です。もう一つが実は、さかのぼって雇用保険に入っていたと認めてもらう方法が存在するのです。

最初の方法は勤めている時期に取る方法で、2つめの方法は仕事を辞めた後に取れる方法ですね。ここでは後者を詳しく紹介しましょう。

東京都労働相談情報センターというところが、次のように説明しています。

退職時に雇用保険が未加入であることがわかったとき、遡って雇用保険に加入するという方法がある。この場合法律では原則2年間に限って遡りができる。1

要するに過去2年の働いていた部分に関しては、さかのぼって雇用保険に入っていたことにしてくれるという話ですね。ハローワークに行って事情を説明すれば、基本的に問題は無いようです。

もっとも、このような仕組みがあることを事実を知らない人は、対処のしようが無いですけどね。

フリーターにこそ失業給付は必要

雇う側の怠慢で、フリーターが雇用保険に入るのは難し事があるようです。でも、雇用保険が本当に必要なのって、フリーターの人たちですよね。

正規雇用の人たちに比べれば、解雇のリスクも大きいです。そもそも所得が小さいので、いざというときの蓄えもあまりない人が多いでしょう。

法律に従った運営が行われると良いんですけどね。現実は、なかなか難しいようです。

ただ、事業主が雇用保険に入っていなくても、労働者には対抗する手段があります。ですから、自分雇用保険に入る資格があるかどうかを確認し、遡及できることを知っおくことは重要でしょう。残念なことにこれも、ほとんどの労働者は知らないんですけどね。


  1. Q51 雇用保険に加入していなかった|
    東京都労働相談情報センター []

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