起業するために会社を辞めた人の雇用保険(失業保険)

事業を起こすために会社を辞めるという人もいるでしょう。でも一般的には、会社を辞めてすぐに開業できるというものでもないですよね。何らかの準備期間が必要なはずです。

この準備期間に失業保険(正確には雇用保険の失業手当)をもらうことは出来るのでしょうか?準備期間に雇用保険の失業給付がもらえるのなら、家計としてはずいぶん楽ですよね。

起業のために会社を辞めた人は失業保険を貰えるのか

起業のために会社を辞めた人は、失業保険を貰えるのでしょうか。

上にも書いたとおり、起業準備をしている時期に失業給付がもらえれば、家計の面ではずいぶん楽です。この時期は収入が無いので、ちょっとした収入でも助けになります。

でも、雇用保険の趣旨から考えると、これから起業する人が失業給付をもらうって変な話ですよね。本来は、仕事を失って困っている人のための制度ですから。起業準備をしているという事は、収入はなくとも仕事はしている状態です。

起業の準備は失業とは認められないでしょう

実際はどうかというと、起業するために会社を辞めた方は、失業保険をもらえません。なぜかというと、企業をするために会社を辞めた人は、いわゆる失業の状態に無いからです。

もう少し詳しく言うと、雇用保険法で言う失業の状態というのは、仕事をしたくても就職できない状態に無いといけません。でも、起業準備をしている人は、一般的には仕事探しをしていませんよね。仕事を探していないという事は、仕事をする気が無いわけです。ですから、失業とは求められないのです。1

スキルを身につけるために転職しようとしているのなら失業保険ももらえそうです

ただ、例えば、いきなり起業をするわけではなくて、別の会社に短期間だけ就職して技能を身に付けようなどと考えている場合もあるでしょう。必要な技能を学ぶためには、現場で働くのが手っ取り早いということも多いですから。

こういうケースでは、状況がちょっと微妙な感じもしますけどね。仕事をする意思があって、仕事を探してるわけですから、雇用保険法が想定する立派な失業者という事になります。2

再就職手当てをもらえる可能性も

繰り返しになりますが、事業を起こすために会社を辞めた方はいわゆる失業保険はもらえません。ただ、その代わりに、再就職手当をもらえる可能性があります。

せっかくいただけるものですから、忘れずにチェックするようにしましょう。3

ここに書かれているように、自分で起業する場合も再就職手当の対象となるわけです。もっとも、起業することが「安定した職業」となるかと言われると、ちょっと返事に困りますけど。

起業するために会社を辞めた場合は、失業保険(雇用保険の基本手当)はもらえないと考えた方が良いでしょう。しかし、再就職手当はもらえる可能性がありそうです。


  1. ちなみに、雇用保険法において、失業は次のように定義されています。「第四条 3 この法律において『失業』とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。」 []
  2. 独立開業するために仕事を辞めた人は失業保険をもらえるのか? []
  3. ハローワークのサイトでは、再就職手当てに関して、次のように説明されています。

    再就職手当について
    再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。

    []


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