会社を辞めた後は、一般的には国民健康保険に入ることになります

前のページでも書いたように、会社を辞めると同時に健康保険からも抜けてしまいます。なぜかというと健康保険というのは、会社員のための保険だからです。

公的な医療保険に入らないというのは問題です。ですから会社を辞めて失業期間に入ると、自分で手続きをして別の保険に入りなおすことになります。

多くの人は、国民健康保険に入ることになりそうです。まあ、違う選択が無いわけでもないのですけどね。

市役所や区役所に行って国民健康保険の手続きを

会社を辞めると、多くの人は、国民健康保険に入ることになります。そして、次の仕事が決まると、新しい職場を通して健康保険に入りなおすことになるというのが一般的でしょう。

もちろん、すぐに次の仕事が決まっている場合は、新しい会社を通して健康保険に入れば良いのですけどね。そうでない場合は、失業期間中にいったん国民健康保険に入ることになるわけです。

ちなみに、国民健康保険を運営しているのは、各市区町村1 です。ですから、市役所や区役所などに言って、保険に入る手続きを取ることになります。

健康保険のような公的な保険に入っていないと、万一の時に大きな負担を生じることがあります。短い期間でも確実に手続きをするようにしましょう。会社を辞めたら、極力早く手続きをするべきです。

国民健康保険と健康保険は別物です

ところで、ここまでの説明で混乱している人がいるかもしれません。混乱の理由は簡単で、「健康保険」と「国民健康保険」という似た言葉が2つ出てきているからです。

よく知らない人には、この2は同じものだと思ってしまうでしょう。でも実は、「健康保険」と「国民健康保険」は全くの別物なのです。もっとも、これだけ似ている名前だと、混乱しない方がおかしいですけどね。

社会保険関係では、この手の似た名前が多くて紛らわしいのです。例えば健康保険には「傷病手当金」という仕組みがあり、雇用保険には「傷病手当」という仕組みがあります。これだけ紛らわしいと、嫌がらせだとしか思えないですよね。

健康保険と国民健康保険の違いは何?

それでは、「健康保険」と「国民健康保険」の違いはいったい何なのでしょうか。

どちらも、公的な医療保険という意味では同じものです。実は仕組みも似ている部分があります。具体的には、どちらも医療費の自己負担割合は3割と決まっています。2

この2つの保険で何が違うのでしょうか。実は、対象としている人が違います。それぞれ次のように理解すると分かりやすいでしょう。

  • 健康保険:サラリーマンが入る公的な医療保険
  • 国民健康保険:サラリーマン以外の人が入る公的な医療保険

厳密に書くと色々とあるのですが、とりあえずの理解としてはこんなところで良いはずです。上のような書き方をすると、会社を辞めて失業するのにあわせて、健康保険を抜けて国民健康保険に入るのが自然だと分かって頂けると思います。

月々の保険料が大幅に上がるのは覚悟しないといけません

ちなみに国民健康保険にはいると、会社勤めをしていた時期よりも、大幅に保険料が上がります。保険料が上がる理由は簡単で、健康保険の保険料は労使ともに払う仕組みだったからです。会社が半分払ってくれていたのです。

国民健康保険では、今まで会社負担だった分も自分で払わないといけません。ですから保険料が大幅に上がるのです。ちなみに、会社負担が大きかった健康保険の場合は、2倍以上になることもあります。

まあ、保険料が上がる原因は、それだけではないのですけどね。例えば、国民健康保険は比較的年齢が高い人が入っているので、保険料が高くならざるを得ないという事情もあるようです。年齢が高い人の方が医療費が高いというのは、容易に想像がつきますよね。

それでも、会社負担分も自分で払うようになるというのが、保険料が上がる最大の要因です。

任意継続被保険者になるという手も

実は、失業中の公的な医療保険に関しては、違う方法も存在します。それは、もともと入っていた会社の保険の、任意継続被保険者になるという方法です。

任意継続被保険者というのは、名前から分かるように、自分の意志で被保険者を継続するという事です。この手続きをすると、以前の会社の健康保険に継続して入ることが出来るのです。

ただ、任意継続被保険者の場合も、会社勤めをしていた時期よりは保険料が上がるはずです。なぜかというと、任意継続被保険者になった場合も、今まで会社が負担していた分が本人負担になるからです。会社を辞めたわけですから、これは当然ですよね。

というわけで、任意継続被保険者の方が保険料が大幅に安くなるという事は、あまり期待しづらいでしょう。まあ、それでも、国民健康保険に入るよりは安くなる可能性は大きいでしょうけどね。健康保険の額は結構大きいので、長期で失業することが予想される人は、慎重に検討することをお勧めします。

ちなみに、国民健康保険と任意継続被保険者の保険料に関しては、仕事を辞める前に確認できるはずです。余裕がある人は、事前にチェックしてから退職の手続きを取ると良いでしょう。


  1. 厳密に言うと、市区町村以外が保険者になるケースも有ります。細かい話ですけど。 []
  2. 厳密に言うと、健康保険の場合は3割でないところもあります。 []

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