韓国の失業率は実はかなり高い可能性があるようです。
韓国発の経済ニュースというと、韓国経済の調子がいいというものを見ることが多いです。しかし実際には、雇用に関してはかなり問題があるのかもしれません。
韓国の雇用実体は分かりづらいらしい
韓国ウォッチャーとして知られる室谷克実氏によると、韓国の雇用の状況は非常に分かりづらいのだそうです。室谷氏は、ソウル特派員をやっていた経歴がある人ですね。
もちろん雇用統計があるのですが、失業が増えても数字が上がりづらい状況にあるのだとか。というのも、失業があっても役所がそれを認めないのだと言います。ある人が失業して日本でいう職安のようなところに行きます。その時に紹介された仕事の条件が良くなく、その仕事に就かなかった場合、その人は統計的には失業者にカウントされないのだとか。あるいは、食つなぐために1週間に1日でもバイトをしたら、その人も失業者のカウントから外されるということです。
この話がどの程度正しいのかは分かりませんが、おそらく統計的に失業者数が少なめに出ていると考えて間違いなさそうですね。韓国人自身も韓国の失業がここまで少ないと思っていない、というような事を室谷氏も言っていました。
もともと雇用に関する統計というのは、国ごとに差があるものです。データの集め方や失業者の定義が国によって違うからです。韓国の場合は、失業率が低めに出るような方法を取っている可能性があるという事ですね。
2010年の時点ではリーマンショックの影響があって韓国経済は悪かった
まずは、2010年の記事から見てみましょう。タイミング的には、リーマンショックの影響で失業が多かった時期のものです。
韓国の中央銀行が政策金利を過去最低の2%に据え置く事を決めました。これは、失業率の高さが起因しているようです。
韓国中銀:政策金利を2%に据え置き-失業率が10年ぶり高水準
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aNKbkWoXXUdg
要するに、景気を暖めるために金利を低いままにしましょうという事をしているわけです。失業率が低いうちは、金利を上げにくいでしょうね。それでも2%なら、日本の感覚だと十分な高金利ですけどね。
韓国の政策金利はどうやって決まっているのでしょうねえ?日本なら、インターバンク市場の金利を操作するんだけど。どちらにしても、政策金利といったら、短期金利ですよね。
このところ韓国の失業率は、十年ぶりの高い水準なのだそうです。記事によると、4.8%と出てきますね。ただ、この数字は日本の失業率と単純比較が難しいんです。国によって、失業率をどう定義するかが違いますから。まあ、10年ぶりの水準らしいので、相当悪い数字には違いないんでしょうけどね。
アメリカの失業率も低い水準が続きそうだという見込み記事がありました。リーマンショックからの完全な回復は、世界的に見てもまだ先みたいですね。
これ以降の韓国の政策金利
そして、2010年以降の韓国の政策金利ですが、2011年年の6月に3.25%にあげられています。つまり、2011年の中ごろには、かなり景気が回復してきたと考えて良いようです。
その後しばらくは、この水準で維持されますが、2012年の7月に3%に下げられています。そして、そこからは徐々に金利を引き下げているというのが現状です。
という事は、2012年を境に、韓国の雇用はかなり悪くなっている可能性があるようですね。
そして、2016年10月現在、韓国の政策金利は1.25%とかなり低い水準です。韓国経済はかなり悪く、雇用問題は深刻なのかもしれません。実際、朴槿恵大統領の退陣劇には、雇用の悪化が影響していたという指摘をする人もいるくらいです。
2016年12月追記:2016年11月の失業率が3.1%?
ちなみに、2016年11月の韓国の失業率は、3.1%だったのだとか。1
統計の取り方に違いがあるとはいえ、さすがにこの数字はちょっと高すぎる感じがします。現在の韓国と言えば、大手の海運会社が倒産し、主力である鉄鋼業は中国の問題に巻き込まれています。鉄鋼というと最大手のポスコが日本企業に裁判で負け、多額の賠償を払わないといけないようですね。また、サムスンの爆発するスマホの問題もありますし、経済的にいい状態とはとても思えません。
失業者のカウントを多少甘くしたくらいで、そこまで失業率が下がるとは、到底思えません。やっぱり、ちょっと特殊な事をやっているのかなあ。
ちなみに、失業率3.1%と報じた聯合ニュースの同じ記事の中では、若年層の失業率は8.2%まで悪化しているのだとか。若年層は15歳から29歳という定義です。
全体の失業率の3.1%が甘い数字だと仮定すると、本当はさらにひどいという事でしょうか。そりゃ、朴槿恵のデモにも参加するよね。
さらに産経新聞によると、2017年の失業率は4%近くになるという予想まで出ていました。2 もしそうなると、2001年以来の高い失業率なのだとか。
でも、政権があんな感じだと、まともな経済政策が打てるとは思いません。そもそも日本との通貨スワップを急がないと金融緩和も難しいでしょう。通貨スワップが無いとウォンの暴落のリスクが大きくなりますから、うかつに金融緩和できなくなるのです。
率直に言って、ちょっとヤバい感じですね。面倒なことにならないと良いのですが。
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